結婚と転職

働く女性にとって1つ大きな問題として挙げられるのが結婚です。結婚することにとって今の仕事を続けるか、辞めるか(もしくは続けられるか、辞めさせられるか)といった壁に直面することになります。結婚をすれば独身のときと比べて行わなければならない家事の量は増えてしまいます。今の仕事をこなしつつ家事もやらなければならない…。体力的・時間的に考えてなかなか厳しい場合もあるでしょう。そういった場合、仕事と家事を両立できるような環境に転職する必要が生じてきます。ところが今のご時世、ひょいと簡単に新しい仕事が見つかるとは限りません。仮に仕事が見つかったとしても給料の面で不満が残るケースもあるでしょう。せっかく結婚して新たな人生を歩もうとしている時にお金が減ってしまうのは少し悲しい話です。
いっそのこと思い切って仕事そのものをやめて、専業主婦になるという選択肢もあるかもしれません。しかしここでもお金の問題が発生します。夫の給料だけで生活していくのは厳しい場合も多いでしょう。実際に統計を調べると、2014年では日本の専業主婦の割合は約40%となっており、30年前と比較すると約25%も減少しています。日本経済の悪化とともに、専業主婦の割合は徐々に減少してきているのです。
企業側からみても、結婚を控えている女性を雇用するのは若干のリスクを抱えることになります。せっかく多くの審査を経て採用した新入社員・中途社員が結婚を機に辞めてしまっては意味がありません。結婚時には辞めなくても、出産するとなった場合には仕事を辞める・休むといった事態は避けられません。
結婚と仕事の間にはトレードオフ的な関係が存在してしまうのです。

仮に結婚を機に転職すると決めた場合、そこには多くの問題が生じます。
例えば、どこの企業に応募するかという問題です。夫側の家に移り住んだ場合、その家の近くにある企業を優先して探すべきでしょう。将来的に子どもが生まれた場合に、通勤に何時間もかかるような場所にある企業で働くのは合理的とは言えません。
応募する企業を決めたとしても、それに合格するかは分かりません。先ほど述べたように企業側からすれば結婚を控える女性を雇用するのは勇気がいることです。女性側としては結婚・出産によって仕事にマイナスの影響が出ないことをしっかりとアピールする必要があるでしょう。

結婚によって仕事を変えなければならない今の状況は決して良いものではありません。女性が働きやすい環境を日本全体で作り出していく必要があると思います