日本社会は高齢化の一途を辿っています。総人口にしめる高齢者(65歳以上)の割合は25%を超えました。このような状況下で介護の重要性は年々増しています。しかしながら介護に携わる労働者の数は慢性的に不足しています。その理由はやはりその仕事の過酷さにあるでしょう。基本的には体力勝負の仕事です。朝昼晩の食事の準備に始まり、掃除洗濯、トイレ回りのお手伝い…。24時間体制を敷く場合は頻繁に夜勤にも入らなければなりません。まとまった長期休暇を得ることも難しいでしょう。さらには精神面でも負担の大きい仕事です。認知症の高齢者の方を介護することの大変さは、よく耳にするところでしょう。もっと深い話をすれば、自分が介護していた方が病気などで亡くなった場合、その精神的ダメージは計り知れないでしょう。これだけ厳しい仕事でありながら、その給与は決して高いものではありません。平均年収は250万~400万と言われており、仕事内容と労働時間を加味すると、なかなか厳しい現状にあると言わざるを得ません。現に離職率は他の業種と比較してもズバ抜けて高いのが実情です。しかし、だからこそ介護業界に転職する方は貴重なのです。
前述のように、介護職に転職するのは正直ハードルが高いです。しかしながら、介護に携わることのメリットも存在します。1つ挙げられるのは、労働需要が高いことでしょう。ただでさえ労働者が少ない業界であるうえに、これから高齢化がますます進行するわけですから、求人が絶えることはなく就職できないという事態に陥ることはまずないでしょう。また、仕事として介護を学んでおけば、仮に自身の両親が介護を必要とした際でも慌てずに対処できるようになるでしょう。そしてなにより言われるのが、介護という仕事のやりがいです。仕事がハードであるがゆえにそれをやり遂げたときの達成感は何にも代えがたいものがあるでしょう。さらに、利用者と直接触れ合う仕事なので、生の声を聞くことができるでしょう。「ありがとう」と直に言ってもらったときの多幸感は明日への活力になるはずです。
確かに介護はハードであり、綺麗な仕事ではありません。給料も貰えないし、その割に責任も重大です。ですが介護を必要としている高齢者の方は多く存在します。たとえ知識や経験が乏しくとも、「人のために働きたい」という思いやりのある方には是非介護の仕事に挑戦してもらいたいです。